SECOND CHANCE 2008 11 8

「アメリカは、巻き返すことができるか」
 私は、そのチャンスは、十分あると考えています。
しかし、同時に、ラストチャンス(last chance)になると思います。
 はたして、グローバル・リーダーは出現するか?
もしかすると、その可能性は低いかもしれません。
それは、人ではなく、世界共通の価値観が出現する可能性はあるでしょう。

SECOND CHANCE 2007 9 30

書名 ブッシュが壊したアメリカ
著者 ズビグニュー・ブレジンスキー  徳間書店

 この本の書名は、誤解を招くと思います。
英語の書名は、以下のようになっています。
Second Chance:
Three Presidents and the Crisis of
American Superpower
by Zbigniew Brzezinski
 そういうわけで、日本語の書名も、
「セカンドチャンス アメリカは巻き返せるのか」とすべきだったと思います。
 この本は、政治評論というより、
現代史の歴史書と言えるかもしれません。
激動の1990年から2006年までの歴史書という印象があります。
 現代史というものは、あまり学校では教えないでしょう。
それは、歴史的な評価が定まっていないからかもしれません。
また、有権者も、今から直近10年ぐらいの歴史を知る人も少ないかもしれません。
たいていの人は、忙しいし、忘れやすいでしょう。
 重要と思われる新聞記事を10年間保存しておけば、現代史となるでしょうが、
それは、現実的には不可能でしょう。
 そういうわけで、現代史は、現代人にとって、暗黒時代のようなものでしょう。
その暗黒時代を解明する手段となるのが、本書と言えるかもしれません。
 さて、この本の目次を見ると、おもしろいことに気づきます。
第三章 先代ブッシュの負の遺産
 第一節 先見の明がないリーダー
 ・・・・・・・・・・・・・・・
第四章 グローバリゼーションを妄信したクリントン
 第一節 はっきり意思表示しないリーダー
 ・・・・・・・・・・・・・・・
第五章 現ブッシュの破滅的なリーダーシップ
 第一節 テロの恐怖をあおりたて、内政に利用
 ・・・・・・・・・・・・・・・
 要するに、各章の結論は、第一節に書いてあるような感じがします。
同時に、この本は、歴史書であると同時に、リーダー論でもあると思います。
 さて、この本のもうひとつの目的。
「アメリカは、巻き返すことができるか」
 私は、そのチャンスは、十分あると思います。
しかし、同時に、ラストチャンス(last chance)になると思います。
 もうひとつ書いておきます。
それは、外交と国民の関係です。
これは、架空のモデルで、思考実験です。
ある国は、海に囲まれていて、外敵が侵入する可能性は低いとします。
その国の国民が、一生懸命努力した結果、
いつの間にか、経済力は世界最大となり、軍事力も世界最強となってしまった。
こうした国の国民が、外交に興味を持つでしょうか?
おそらく外交には、関心が低いと思います。
もしかすると、政治家も、外交に興味を持たないかもしれません。
もちろん、内政がうまく行かないので、外交で得点稼ぎをする場合はあるでしょう。
 はたして、グローバル・リーダーは出現するか?
もしかすると、その可能性は低いかもしれません。
人ではなく、世界共通の価値観は出現する可能性があるでしょう。
















































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